ご近所計画とは

ご近所計画は、
福岡・大分・山口のパフォーマー、映像作家、企画制作者などが集い、自ら発表できる機会をつくり、巡回公演し、互いの作品を上演・鑑賞する計画で、2008年から活動しています。地方都市でできること、上演形態においても従来ではない形を模索し、かつ各上演地において観客との交流をはかることを目標とし活動しています。

ご近所計画を通じて場を共有し、表現する人も、舞台作りする人も、観客としてみる人も、そこに集い、差異・隔たりを見、なにかを交換し、変化または持続することで、ご近所付き合いの新しい形を見出したいと考えています。

2007年2月1日

ご近所計画 とは?

スタジオイマイチ(山口)、素ら(旧・素体ル)(福岡)、OITA’n DANCE ORGANIZATION(略・O’nDO )(大分)の3県にまたがる、ダンススタジオ、コンテンポラリーダンスユニット、制作団体、などにより結成された「地方発パフォーマンスムーブメント発信!計画」である。
主に30代前後の年齢のパフォーマーや企画制作者が集い、自ら機会を計画、参加団体全員で巡回公演する。各地の新進気鋭の作品を互いに交換・上演・鑑賞する。
そのことによって、
1、巡回による各作品熟練度アップ
2、他地域の表現者と鑑賞者のコミュニティ作り
3、巡回公演から世界へ発信 
を可能にすることを目標としている。

(文・2007年結成時作成)


*

「ご近所計画宣言!」

カルチャーは大都市からやってくるという妄想を捨て、地方こそ独自の文化を世界に発信できる創造性を秘めていると私は確信しています。


なぜなら都市では芸術は資本主義の自由競争の上ではたらく商品だからです。大都市の芸術家に求められるものは、極端な意外性であり、深い思想ではありません。一方地方都市では日常生活は忙しいものの、精神的なゆとりがあり、そこには深く考える時間と空間があります。しかし、他者との競争が希薄なため、表現に「質」の低下がみられ、大都市からみたら田舎臭いといわれるものになりがちです。「質」の向上には作家が批評を受け入れ、作品を改善する作業が大切です。この一連の流れを鑑賞者とともに築けば、問題点が徐々に改善され、すばらしい作品が生まれるでしょう。


そこで私たちはここに「ご近所計画」を宣言し、西日本から世界に芸術を発信する計画をここに宣言します。


1、表現者と鑑賞者とのコミュニティーづくり
芸術においても最も大切なことは、創作活動と批評活動をセットにして考えるということです。「表現」に必要なエネルギーと同じだけの批評のエネルギーが必要です。つまり、舞台を作るのと同じくらい、鑑賞者が意見を述べる場を作る必要があります。まずは、批評・応援するコミュニティーを形成し、現場にあわせたディスカッションなどが必要でしょう。


2、地方都市巡回
各地方都市にはオリジナルの作品を創作発表するダンス・演劇カンパニーがいくつかあり、それを見る鑑賞者がいます。鑑賞者としてはより多くの作品に出会いたいものの、各カンパニーは1年に、1、2本の新作が限界です。そこで、3都市それぞれから1団体の新作を持ち寄り、3都市を巡回すれば、1団体が3回ずつ公演することになります。地元以外での公演は、作品をよりよくする方法の一つですし、鑑賞者にとっても、作品が巡回することで、楽しみが3倍になるでしょう。各都市のコミュニティーはお互いに連絡を取り合い、もうひとまわり大きなコミュニティーを形成しましょう。


3、西日本から世界へ
ご近所計画で作られた作品は、各都市を巡回することで充分に熟し、大都市に負けない作品に仕上がっているはずです。そこで世界につながるコンペティションやフェスティバルに応募し、この西日本から胸を張って発表しようではありませんか。


文・大脇理智(スタジオイマイチ)

*

ご近所計画の面々


(福岡)素ら http://d.hatena.ne.jp/heuteskind/
(山口)スタジオイマイチ http://imaichi.net/
(大分)O’nDO http://oitandance.blog29.fc2.com/